柚のかくし味 by 柚


2004-03-24 白石文郎さんの本『風街』

白石文郎さんの『風街』を読んだ。現代の男女間の問題である「セックスレス」や「ED」「不感症」「スワッピング」「援交」「テレクラ」「風俗」「出会い系サイト」など、それこそ何でもありの小説である。そんな風に書くと、エロティックな小説かと思われるかも知れないけど、ぜんぜん、そうではなく、とてもまじめに、性というか、性愛の本質について考える小説なのである。

白石兄弟の小説を読んでみようと思ってそれぞれ一冊ずつ買ってみたうちのまず一冊目がこれ。弟さんのほうである。双子の兄の白石一文さんのほうはこれから。実は一文さんは、次のアドレスのページを読むと読者からの疑問、質問にとても真摯に答えていて、こちらも興味深かった。興味のある人は読んでみて。

http://book.asahi.com/authors/index.php?key=21

さて、「風街」だけど、彼が小説の中で書いている男女の関係性は、性的なつながりが二人の関係を決定づけているから、それがうまくいかなくなると、二人の心はつながらなくなり、自分自身のアイデンティティも失われる。男女の関係において、相手は自分自身でもあるというか、自分を映す鏡だと思えばわかりやすいだろうか。そんなことを彼はいいたいのだろう。きっと。

風街(白石 文郎)


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