柚のかくし味 by 柚


2004-12-18 ライターでなく、もの書き

ライターという言葉について考えた。先月のことだけど、宣伝会議の編集・ライティング講座で「本づくり」のことについて話した。そのおかげで、忘年会に呼んでもらった。夜の9時過ぎからだというのに、たくさんの受講生たちが集まった。

なんとそこに13年前、わが社で働いていた江崎君がいた。当時は手書き原稿用紙で何度も何度も書き直したし、その上、「あんなことをいわれた」「こんなことをいわれた」と彼はよく覚えている。そうだった。あの頃はワープロもパソコンもなく、すべては原稿用紙とレイアウト用紙。赤字が入れば、また一から書き直すしかない。

話しているうちに、本を作りたいと一途に思っていた頃に戻っていった。フリー校正からフリーライターに。そして、いつしか、本当の出版社を始めるにいたったのだが、ここに集まっている人たちの何人が自分の夢を実現できるのだろう。結局は、一歩前に出るしかないのだけれど。

フリーライターと書いたが、この言葉はコピーライターと区別して使われていたように思う。つまり、商業コピーを書く人がコピーライターで、それ以外はライター。私が思っていただけだろうが。でも私は心のどこかで、ライターという言葉にずっとなじめないでいる。もの書きといったほうがあたっているかもしれないなどと思うのだ。以前、肩書きをどうしましょうかといわれたとき、困った。詩人、コラムニスト、エッセイスト、ライター、どれも違う。編集者というのもねえ、とそのときは結局詩人に落ち着いたのだったけれど。

他人の本ばかり作ってきたので、そのうち、自分で本を書きたい。その夢はまだ捨ててはいない。


2004年
12月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

侃侃諤諤

2005-08-23
韓国で料理を食べて思った

2005-08-15
戦後60年の節目に

2005-03-22
地震のこと、続報

2005-03-20
地震な一日

2005-02-16
きみに読む物語

2005-01-27
懐かしい写真

2005-01-19
地球の裏側

2005-01-10
成人残念会

2005-01-07
コーヒーとの出会い

2005-01-05
本作りのこと

2004-12-18
ライターでなく、もの書き

2004-12-17
日のあたる道

2004-12-11
『象と耳鳴り』

2004-12-07
「蒼い記憶」

2004-11-23
さいぼう会に参加して

2004-11-18
若竹酒造場にて

2004-10-21
台風とロウソク

2004-10-16
江口章子のふるさと

2004-10-15
運命の足音

2004-09-24
夜からの声

2004-09-13
父は今日も元気

2004-09-03
日韓詩人交流

2004-08-15
お盆の最終日

2004-08-10
原爆が落ちた日に

2. 軽々と生きる

2004-08-08
被爆の街としての長崎

2. 赤の広場で歌うポール

2004-07-23
久々の小倉駅

2004-07-18
自分のなかの核

2004-07-16
田舎の夏が懐かしい

2004-06-30
「永久就職」というまやかし

2004-06-13
リバーサイドは健在なり