柚のかくし味 by 柚


2004-08-10 原爆が落ちた日に

長崎に原爆が落ちたその日、原子力発電所で事故は起こった。その思いがけない符号に暗澹とした気持ちになった。その日、ビアガーデンに集った人としばし、自然の摂理について話した。このところ、起こるいろんなことが、人間の傲慢さに対する自然界からの鉄槌であるかのような気がする、と。

軽々と生きる

天神に向かうバスの中で出会った若い男性は、不思議な存在感を持っていた。長い髪をひっつめにし、ジーパンは両膝がぱっくり開いて、いた。どうみても、昔懐かしい言葉でいえば、ヒッピーという雰囲気なのである。友人と話す会話が耳にはいり、聞くともなしに聞いてしまった。産大を卒業したのだが、思う仕事がない。それなら、もう一度大学に行こうと猛勉強を始めたという。「私立は高いので、九大に入ることしか考えていない」と。受かるという保証はないが、受かりそうな気がすると、彼はいう。そうか、彼はきっと来春には晴れて九大生になっているだろう。そんな思いをいだかせた。その自由さがいいなあと、ちょっと思ったのだった。こんな風に軽々と生きられる、それもまた今という時代なのだ。


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