柚のかくし味 by 柚


2004-07-18 自分のなかの核

久々にふるさとに戻った。田舎は確かに夜になると別世界のように涼しい。

ふるさとといっても正確には、自分の生まれ育った生家はもうとっくにないので、ただ、ふるさとという空気にふれるだけなのだが。そのつど、自分の核になるようなもの、たとえば決して変わることのない自分がそこにあることを実感できるし、心の奥底に秘めたものにいまでも出会うことができる。

子供時代、ほんとうに孤独だった。そんな言葉が適切かどうか、わからないが。座敷のすぐそばを流れる川の小さな水音の響きを聞きながら、眠りにつくまでの時間。生きるということについて考えた。考えることで、自分を形成していった。長い時間を経て、そうして過ごした日々こそが昔もいまもわたしだと思えるようになった。

いまだにそのころの思いを引きずっていることがいいかどうかなんてわからない。しかし、核だけは変わらない。

一人で生きていくすべは、すべてそのときに学んだのだから。


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