柚のかくし味 by 柚 |
いろんな事が片づけモードに入った。ように思う。何しろ、抱えていることが雑多で自分の事はいつも置いてけぼり。でも、今日はいい日だった。田主丸町の300年の老舗「若竹酒造場」に行き、日本酒、ワイン、祥酎(焼酎の間違いではないです。紅乙女など、こう書くのです)と駆け足で見学し、試飲させてもらった。
酒など飲めないわたしだけど、口に含んでみると、味がわかるもんですねえ。わたしは日本酒がいいなあと思った。特に気に入ったのは、「馥郁元禄之酒」という江戸元禄時代の手法で作ったという酒。きれいな琥珀色をしていて香りがいい。個々のお酒のネーミングにもほれぼれする。「滴しぼりの酒」「杜氏の隠し酒」など、いかにも飲みたくなりそうな・・・。
今まで、お酒を楽しむという人生をすぐ傍らに置いてきた。でも、こんなの飲むとたまにはいいかなあとちょっぴり思ってしまうのだ。
田主丸という地名は「たのしまる」なんだそうだ。地元の人は「たぬしまる」とは発音しないとか。その田主丸町が来年春には久留米市になる。なんだか、がっかり。耳納連山の麓の水がきれいな酒どころ、造園と巨峰原産地のすてきな地名がまた消える。
さいぼう会とは、私が通った杵築高校生物部OBの集まりである。一年に一度、部員が世話をして、どこかで出会う。ずいぶん古い仲間達のその後を聞くのも楽しく、思い出話に花が咲く。今年は、恩師の急逝のため、追悼の会になった。
あの頃、生物部はとてもまじめでとてもユニークな活動をしていた。夏休みのキャンプはいつも話題になる。もちろん、「エヒメアヤメ」という希少種の観察というまじめな名目もあった。でも、本当の目的はやはり、3泊4日ぐらいのキャンプだ。男女一緒にテントの中で雑魚寝するという、かなり大胆な。
あのとき多くの事を学んだと思う。飯ごうでのご飯の炊き方、火のおこし方。のような日常的な事はもちろんだが、肝腎なのは、共同生活のルールや議論の仕方、自分自身の表現の仕方など。コンプレックスだらけの自分をもてあましていた事もまた確かだったから。
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