柚のかくし味 by 柚 |
長い眠りから覚めた気分である。冬の韓国、釜山は雪が降りしきり、別の町のようだった。いままでほとんど雪など降ったことはないらしい。しかし、である。戻った翌日から熱が出た。39度を越え、体がだるく、とても不安で、月曜日に病院に駆け込んだ。それからがたいへん。3日目で、熱は下がり、咳が止まった。溶連菌感染を始め、いくつかの病名ととにかく休養をといわれた。その頃から、頭は朦朧、どうしても起きられなくなり、食欲も落ちた。薬の効きすぎでは、と、今回も気付いた時には、もう手遅れ。わたしのからだは、抗生物質を始めとする薬が効きすぎると悲惨なことになる。気力も体力も落ち、ただ、じっと薬が切れるのを待つだけ。ほんとうに変なんだけど、これに3日はかかるのだ。
抗生物質は細菌には効いてもウイルスには効かないので、たいていの風邪に対して効き目はないらしい。それよりは栄養を取って寝るほうがまし。抗生物質を続けて取っていると耐性菌ができ、同じ薬は効かなくなる。私がそういう事実を知ったのは、20代のころ。子供の頃、ペニシリン注射のし過ぎで、アレルギーが出て以来、簡単には、抗生物質がつかえなくなったからだ。熱が高い、それだけで田舎の医者は毎日ペニシリン注射をうった。今ではとても考えられないことだけれど、20代でアレルギー反応が出たとき、別の医者から自分に安全な抗生物質を見つけておかないと、大病したら助からないといわれた。薬の過剰摂取には、とても気をつけているけれど、どんなに気をつけていてもあまりにもつらいと薬に頼り、ひどい目にあう。今回も薬を止めて3日たって、正常に近くなってきた。長いトンネルからどうやらやっと抜けた気分なのだ。変な病気ではなかったので、ほっとしているのだけれど。
ある記事にこうあった。特に子供の風邪に抗生物質は要らない。医者が処方したら、理由を聞いてみよう。二次感染や他の感染症を疑う場合もあるから。そして、大人も子供も風邪で熱が27度5分以下で普通に食欲があるなら、少し様子を見てもいいと。
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