柚のかくし味 by 柚


2004-05-22 サクランボを食べるカラス

拉致被害者家族のことを考え、落ち着かない一日だった。5人の帰国はもちろん、素直によかったと思うが、それにしても、行方不明の人のいる家族にとっては、気の遠くなる日々がまだ依然としてつづきそうだ。世の中には、自分の力だけではどうにもならないことがある。国の違いはいかんともしがたい。外国に出れば、肌で感じる。しかし、一方では、どの国でも、感じのいい人もいれば、気の合わない人もいる。言葉ではない、という気がしてならない。

最近ちょっとおもしろかったこと。会社のある西公園参道沿いは桜並木である。いま、どの木にもたわわにサクランボがなっていて、そのサクランボをカラスがねらって集まっている。彼らの取り方はダイナミックで枝ごと落として、それをつつき、よく熟れた実だけを食べている。道には、食べかすと葉がついた枝が散らばっているのだ。カラスの習性は知っているが、間近で見るとますますカラスが好きになった。

通り沿いにあるローソンが突然消えた。あっという間の出来事である。けっこうはやっていそうに見えたのに。あっけないものだ。ふと、カラスは不吉だという風評を思い出した。カラスがこんなに群れているのを見たのは久々のことだったから。不気味な声と姿がしばらく、壊してなにもなくなった店先を埋めていた。


2004年
5月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

侃侃諤諤

2005-08-23
韓国で料理を食べて思った

2005-08-15
戦後60年の節目に

2005-03-22
地震のこと、続報

2005-03-20
地震な一日

2005-02-16
きみに読む物語

2005-01-27
懐かしい写真

2005-01-19
地球の裏側

2005-01-10
成人残念会

2005-01-07
コーヒーとの出会い

2005-01-05
本作りのこと

2004-12-18
ライターでなく、もの書き

2004-12-17
日のあたる道

2004-12-11
『象と耳鳴り』

2004-12-07
「蒼い記憶」

2004-11-23
さいぼう会に参加して

2004-11-18
若竹酒造場にて

2004-10-21
台風とロウソク

2004-10-16
江口章子のふるさと

2004-10-15
運命の足音

2004-09-24
夜からの声

2004-09-13
父は今日も元気

2004-09-03
日韓詩人交流

2004-08-15
お盆の最終日

2004-08-10
原爆が落ちた日に

2. 軽々と生きる

2004-08-08
被爆の街としての長崎

2. 赤の広場で歌うポール

2004-07-23
久々の小倉駅

2004-07-18
自分のなかの核

2004-07-16
田舎の夏が懐かしい

2004-06-30
「永久就職」というまやかし

2004-06-13
リバーサイドは健在なり