化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-09-29 裸で踊るよお面の女の巻

[走りまくる湯布院]

title0 由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)さんのことを知っていますか?

 いいえ。身体がきつくてかなわないので、ノコピイさんに返事をするときは、床に座り込んでいました。

 上半身は実は裸のままなのです。裸の大将。ハダカノタイショウ。うつろに言葉が頭の中で反響していると、なんと壁の絵に、裸の日本髷を結った女性が、下半身の要所をお面で隠して踊っている絵に視線がとまりました。

 ああー。おれとおんなじぢゃん。

title1  ふははははは。ちょっとおかしくなりまして、笑いますと、絵もいっしょにわらっているようです。

 隣の絵の人はちょっと恐いけど、頭に印象が残る絵です。

 由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)。。。ノコピイさんの言葉が、読み方を表記した状態で再現されました。

 壁一面は、この佐藤さんの作品なのだ。どうしてまた、あちこち放浪して、ここにたどりついたんだろう。

由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)のための由布院美術館だったのだ。。

title2 少しだけ休んでいいですか。

 いいでしょう。時間は12分間ですよ。アイスにするか、お茶にするか。決めて下さい。冷たい飲み物はだめですよ。すぐに汗になりますから。

 はい。では、梅アイスにします。

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 ところで、あの美術館は、由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)のために建てたというのは、ほんとうですか。

 その通りです。 しかも、由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)は、あの美術館の建築が、彼を世に残したといっても過言ではないのです。

 作品のすばらしさと同時に、彼の作品を展示している、あの不可思議な空間こそが、彼への愛情で溢れている。しかも、独特の建物なのです。

 ノコピイさんは熱弁をふるって、由布院で没した、放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)について語りはじめました。

 このろこになると、僕の丸裸の上半身からは汗がひいていて、エアコンの心地よい風に吹かれていたのですが、ノコピイさんは、そんな、でぶでぶの吾が上半身をまるでみていないかのように、話を続けるのが、どこかおかしくもありました。

放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)を後に

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 ノコピイさんの熱弁は、きっちり11分で終わりになりました。演説の途中で、あれほどの熱弁を続けていた放浪の詩人画家・佐藤溪(けい)への思いは、唐突に終わりになりました。

 ノコピイさんが、一礼します。ありがとうございました。まるで道場から退出する柔道の選手みたいな一礼をすると、いきなり早足で、歩き出したのです。

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 こ、こ、こんどはどこへ?僕は唐突な出発についてゆくべく、汗まみれでよれよれのシャツを手にして後を追いました。

 ノコピイさんの写真に後ろ姿が多いのは、走って前にまわるなどという軽やかな身のこなしができないからです。

 ノコピイさんは、川にそって、ぞんぞんぞんぞん。づんづんづんづん。歩いてゆきました。

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