化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-09-26 塔を降りて丘にのぼる

[走りまくる湯布院]

title0 由布院美術館は、木造でてきでいます。教室みたいな場所とか、講堂を思わせる場所とか。全体的に昔の小学校のような、印象が思い浮かぶようになっているのですが、その構造は複雑です。

 由布岳の山頂に雲がかかりました。 そろそろ次に行かないと。ノコピイさんが、塔を降りはじめました。どこにゆくのか、とにかくついてゆかなくては。

title1

 太った身体にもっともきついことは階段ののぼりおりです。ひざはがくがくで、汗だらだらの時間が再び始まりました。

 さあ、遅れないでついてきてくださいね。

 ノコピイさんが、いきなり遅れはじめた僕の方をむいてそう言いました。

岡の上にゆこうよ

 木造の螺旋階段がどこまでも続きます。いったいどこまで続くんだ。足がもつれてよれよれになりながら、やっと螺旋階段を抜けると、さらに階段がありました。

 title2 しかも、確か木造校舎の三階くらいにいたはずなのに、いつのまにか地上にでています。

 いったい、どこがどうなっているのか、よく把握できません。title3

 階段が延々と続いていて、僕はもう、ノコピイさん、もう歩けません。昼に食べた蕎麦が、のどから逆流しそうです。

 そして、ああー冷たいビールでも、ぐぐううううううううううううっとのみたいなあああ。

 ぼやきながら山をのぼりました。

山頂に立つと秋の風景

title4 やがて、ノコピイさんの姿が遠くになってゆきました。 単に僕が遅れているだけなのですが、もう永遠に彼女に追いつけないような気がしました。

 めまいがするし、汗はかきつくして、シャツもズボンも汗でどろどろです。

title5

 山頂についたら、だれがなんといおうと、山下清さんといわれようとも、芦屋がんのすけ、といわれようとも、上半身はだかになって、へたりこむぞ。

 はうようにしてたどりついたのが、この山頂です。小学校の塔から、こんな場所まで道が続いていたのに驚きですが、そこに、汗ひとつかかずに、ノコピイさんが立っていたのにも驚きました。

 なんと軽やかな身のこなしなのでしょう。全身汗まみれで、肥満した腹部が、だらしなく波打っている、おのれとなんという違いなのでしょう。

 げふうううう。げっぷ。もう歩けませんでした。


2003年
9月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

侃侃諤諤