化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-10-02 天井桟敷きから夜の美術館へ

[走りまくる湯布院]

title0 イソギマショウ。

 ノコピイさんが僕に話し掛ける時の口癖のようになっていることばが、イソギマショウ。

 イソガナイト。気が焦るのですが、少し歩くと、もう汗がばらばらとわきでてきて、ほんとうに、動く水道みたいなありさまなのです。

title1 軽快に先を急ぐノコピイさんからたえず四メートルくらい遅れたところに、僕がいるのですが、ノコピイさんは忍耐強く、ときおり、振り返りながら、先導してゆきます。

 もう、どこにゆくのか、どんな店に入ったのか。とにかく休んで汗が惹いたら次にゆくという強行軍なので、もう、どこがどこやらさっぱり覚えていません。

次はどこにと質問したら

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 次は美術館ですよ。

 ええええーまた美術館ですか。

 今度の美術館は、夜中の10時迄開館しているのです。

 というと、どこかで夕食が食べれますね。 疲れて倒れそうなのに、食事のこととなると、汗ではなくてよだれがどんどん出て来る自分がいやになります。

 うどんならいいですよ。 昼間が蕎麦で、夜もうどんですか。でもいいや。食べれるならなんでもいいや。

 うどんやで、ノコピイさんは、たぬきうどんを、僕はキツネうどんを食べました。

夜の美術館に行く

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 さああ。この建物が美術館ですよ。 両側にコンクリートのうちっぱなしの通路がありました。  外はすっかり日が暮れてこわいほど静かです。

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 ほんとうに、この先に美術館があるんだろうか。ノコピイさんは、さっき、たぬきうどんを食べているし、俺はケツネうどんを食べている。

 ばかされているのではないか。警戒しながら先を進みました。

 食べてすぐに動いているので、めまいがします。たちくらみもするし。軽いふらつき感もあります。

 先をゆくノコピイさんが、おぼろげな姿になります。目がはすんでいるのかなあ。


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