化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-10-09 ペンション想い出の巻

[走りまくる湯布院]

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 ノコピイさんとはぐれたとたんに、あれほど美しい町に思えていた由布院が、とたんに恐い世界になってしまいました。

 油断して、はぐれてしまったことを後悔しましたが、どうにもなりません。

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 歩いているといきなり出くわしたのが、ペンション想い出 です。いきなり想い出になってしまうようなわけなので、そのペンションは、正しくは閉鎖された元ペンション『想い出』なのですが、想い出をしみじみ眺めている間に、怪しい由布院が、僕の心にどんどん入って来て、どうにもならなくなってしまいました。

ティヂイベアもいれば猫も犬もいる

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 ティディベアショップにたくさんの観光客が集まっていました。表通りなのですが、そこを表通りと思いたくない程、まがまがしい店がたくさんあります。

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 オルゴールの館もあります。ここって、シーサイド百道みたいな、なんだか『成れの果て』感があふれています。

妖怪犬だああ

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 うわあああい。犬だあああああって思ったんですが、ちょっと変。目玉が全部黒目だし、頭部が別の生物みたいです。

 こわいです。ひええええ。避けて近くの煎餅やにはいったら、おじさんの

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 おじさんの。。。おじさんの視線が虚ろでした。すでに心は現世にはないかのように。うつろな目で視界に捕らえられているかとおもうと、さらに恐くなりました。

ガーデン喫茶「二世」

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 うわあああ。ノコピイさん。どこにいってしまったんだろ。さらに迷って歩いていると、コンセプトがさっぱりわからない喫茶店に出てしまいました。

 ブティックとホテルを併設した、バーベキューもできる喫茶店なのですが、客の姿は一人もありません。

 入り口にスリッパが20人分くらい並べてありましたが、恐くてはいれませんでした

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 続いて「うらけん」のソフトクリーム。夕日を浴びて、黒い犬の絵がソフトクリームとともに書いてありましたが。店員はすでにいません。

 たくさんの観光客が、特に驚くふうもなく、そばを歩いてゆきますが、僕は恐くてこれいじょう、すすむことができません。

西日が当たる町営住宅

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 表通りのまがまがしさに圧倒されて裏路地に逃げ込んだら、西日が町営住宅を照らしています。

 僕はもう、そこから動かずにじっとしていました。美しい由布院の一日を駆け回っていたことを、きついだの汗だらけでいやだの、心で思っていたことが、現実の風景までゆがめてしまったのでしょうか。

 ノコピイさあああん、どこにいったんでしょう。このまま元に戻れないのでしょうか。

 すっかり、恐ろしくなっていたら、近くでノコピイさんの声がします。

 「休んだら次に行きますよ!」

 そうか。ヤスミダッタノカ。それでノコピイさんがどこかにいっていたんだ。安心して眠たくなってしまいました。


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侃侃諤諤