化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-10-10 旅館跡のコスモスの巻

[走りまくる湯布院]

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 ドコニイッテイタンデスカ。

 ノコピイさんが下の部屋でまっていました。地上を歩いていたはずなのに、戻って来た場所が民家の二階だったので、まぬけなことに、階下にいるノコピイさんを見て、おかしいなとおもいながらも、あまりにも自然に、「すみません迷いました」と答えながら下に降りてゆきました。title1

 下におりるとノコピイさんは庭に出ていて、となりの旅館みたいな建物を見ていました。

 ふしぎなたてものですよね。

 それは、昔、旅館だったんでしょう。今は廃業したのだろうけど。

 ペンション「想い出」みたいに廃虚感がなくなり、民家みたいに自然にもどっているのは、建物の違いなのでしょうか。

コスモスの花

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 コスモスの花も咲いていました。

 すっかり秋ですね。

 このあいだまでは、夏だったのに。

 汗はひきましたか?

 ああ。そうだった。上半身裸のままで、ここまで来てしまったけれど、そろそろ夕方になるし、シャツをきなくては。

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 次の予定はどこかのでしょう? 再び汗が噴き出す覚悟をきめて、質問しましたが、ノコピイさんは、いつになくゆるやかな表情で、すぐには答えませんでした。

 そうですねえ。

次の予定をたてながら

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 ノコピイさんはメモ帳を取り出しました。メモ帳には小さな文字で、予定がびっしりと書いてあるのでしょう。

 そのスケジュールに従って、僕はぶたのように放慢な腹部をゆらゆらさせながら、走り回る決意です。

 さあ。どこにまいりましょう!

 僕のとっぴょうしもない声が、誰もいない民家の内部に響き渡りました。


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侃侃諤諤