化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-08-28 夏が過ぎるころ

[江戸下町世界]

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 六万年ぶりに火星が大接近しているものの、空は曇りが続き、なかなか見ることができません。

 こうして夏が過ぎ行く季節になると、夏の始まりの、これから夏休みが始まる直前を、いまさらのように思い出すことってありませんか。

 まだ、夏休みが始まる直前の7月中旬は、コレカラ先、どんなに楽しいことがまっているのだろうか。考えただけで、どきどきしたものです。

 それを思い返して、小学生のような気持ちが、高まって来てくるのですが、すでに、夏は終わろうとしていて、いまさらのように夏が過ぎるのはなんだか、物悲しく思えてしまうのです。

 この夏。何を思い浮かぶことを絵に描きなさい。そう言われると、いろいろあるのですが、どれかひとつだけにしなさい。

 そういわれると、とても困ります。困るけれども、ひとつだけにしろというと、あの四畳半の部屋に座って、微笑むキミさんと過ごした時間のことでしょうか。 キットそれを絵に描くでしょう。きっと。

 実際に、あの場面そのものは、ほんの五分とか六分とか、そんな短い時間だったのだけども。

八百屋の店頭でごきげんよう

 やがて駅に行く道を。都電の電停を探していたのですが、すっかり道がわからなくなり、都電の駅にはたどりつけないままでした。

 商店がいくつか密集している場所に出て、その中に、八百屋がありました。じゃがいも、たまねぎ100円均一という、安い野菜が目に止りまりた。title1

 キミさん。夕食にこの野菜を買ってゆくのですね。

 はい。そうすることにします。

 では、ここでお別れしましょう。

 はい。お元気で。ごきげんよう。また会う日まで。

 キミさんが八百屋の店頭で、おじぎをしました。僕は敬礼して、八百屋の店頭から電停を探して、再び町に戻りました。

 次の目的地は、宮崎県小林市でした。化粧女王は、そこにいるのだと、かねて放っている密偵から、連絡が届いたからです。

 密偵なんかいたんだっけ。実は一人だけいるのです。


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