化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-08-20 旅に昼間の一杯の巻

[江戸下町世界]

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 東京は、町の中に意外に緑が多いこと知ってますか。もちろん、ビルだらけだったり家だらけだったりするのですが、公園とかは、下手な田舎よりもだだっぴろくて驚きます。

 昼間の都電は、車庫からの始発だったせいでしょうか。乗っているひとは僕ら以外にだれもいませんでした。運転手に見られると照れくさいので、後ろのほうにそっと乗車しました。

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 次はベンケー、べんけーです。

 運転手が自分の声で案内するのも意外です。録音再生ではないんだ。ベンケーって何区にあるんだろう。

 電停についても誰ものってきません。なんだか、近くの民家の壁に、稚拙とも思える絵が書いてあるだけの、誰もいない電停が、不思議でした。

 さあ、次でおりますよ。次の駅は、建物の中なので驚かないように!

変な駅に着いたら

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 キミさんが解説し終えるか終えないかという瞬間に都電は、ぐぐうううっと速度を落とします。

 ぐごがががががあ。。停車した駅は、なるほど天井が高い、銭湯のような駅舎付きです。

 駅舎がついた都電の電停など、はじめてです。title3

 テンショウガ、高いでしょう。

 ええ、高いですね。まるで駅みたいですね。

 駅ですから、そうですよ。この駅には縁側があるのです。

 キミさんは、駅舎の縁側に出て、座ってくれました。昔は、この駅舎は、ほんとうに銭湯だったのかもしれない。

 都心の銭湯はもうからなくなったので、建物を残したまま廃業し、そのあとを都電が駅舎として買収したのだろう。僕はそう考えました。

まずは居酒屋でひと休み

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 さあ、休日を楽しみましょう。 キミさんが、駅舎に隣接する、居酒屋にはいったのには、僕もびっくりしました。昼間から酒を飲むなんて、キミさんはいつのまにお酒がすきになったんですか。

 にこごり、と、冷やで一杯ください。

 キミさんは、さっそく注文していました。title5

 お茶はだめなんですか。僕は昼間から酒がのめないし、じつのところ、夜になっても飲めないんです。

 半泣きになりながら、僕が白状すると、キミさんは、そうねえ。

 お茶はないけど、サイダアならありますよ。おじさん。ミツヤサイダアをください。

 注文してくれました。

 キミさんは、さっそく、ぐ、ぐううううっとやっています。

居酒屋は午後10時で閉店

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 営業時間は何時から何時迄なんですか。酒の席に慣れていない僕は、酒の席での話題をしらないので、キミさんに、とりとめのない質問をしました。

 東京の人は早寝早起きだから、夜の10時を過ぎたら店は閉店しますよ。ふふふ。

 キミさんは、少しよったのか、ふふふ、と笑っていたのが印象的でした。ところで。。。。僕は化粧女王が、この町のどこかにいるのかどうか。キミさんが深酒して、酔いつぶれない前に、聞いておこうと話を切り出したときのことでした。。


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