化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-08-15 一番落ち着く場所の巻

[江戸下町世界]

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 銭湯に来たら、まず最初にすることは、人それぞれですが、キミさんは、体重計に乗る事だそうです。

 でも、みちゃだめよ。

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 体重計の40キロから50キロのあたりの目盛りのところを手で隠したので、キミさんの真実の体重は類推はできるものの、正確なところは、わかりませんでした。だから、僕の認識の中では、キミさんの体重は40キロから50キロの間、としか分からないままなのです。

 これは、脱衣籠ですよ。

 知ってますよ。そのくらい。九州にも銭湯がありますから。銭湯よりも立派なスーパー銭湯だってあるんですから。

 僕がいささかむきになっていうと、キミさんは笑顔のまま、九州には銭湯がないとおもっていたから、わざわざ教えたのよ。

 と言いました。

境界の板壁ごしに響く声

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 せっかくなので、キミさんも銭湯にはいることになりました。僕は、キミさんの後ろ姿を撮影して、潜り戸を押して、男性用の方に戻ったので、この後は撮影していません。

 しかし、この後ろ姿を、撮影してしまったことは、キミさんには内緒にしているので、『あー盗撮されたああ』と、おこるかも知れません。ごめんなさい。title3

 というわけで、アレ止めによく効く/クラブ美身クリームのポスター少女が、微笑む中、僕は男子湯から。

 キミさあーん。

 キミさんは女子湯から。はーい、なんですかあ。

 僕は男子湯から。私は、わずかな時間で、湯にのぼせやすいので、もう全身ゆでだこのように、真っ赤です。あとどのくらい入っていたらいいですか。

 キミさんは女子湯から。そうですねえ。男ですから、30は数えましょうか。それからあがってください。

風呂上がりに隣の部屋に

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 最初は、早く数えていましたが、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。。数えていると、キミさんが女子湯のほうから、そんな数え方はだめです。

 ひとおおおおおおつううううう。ふたああああああつううううう。と数えなさい。そう注文をつけてきましたので、すでに、十分にゆでだこになっていたのですが、口からお湯を飲み込むくらいに、疲労困ぱいしながら、ようやく、30まで数えることができました。

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 風呂からようやくあがると、なんとキミさんが先にまっていました。

 あなたが、ゆっくり数えていたでしょう。その間に出たのよ。

 ひー、まんまといっぱい食わされました。では、参りましょうか。

駄菓子やこそ極楽浄土

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 銭湯の縁側から、最初にいた駄菓子やに戻る事ができます。 キミさんは、小さな四畳半の部屋の中に、ゆっくりと座ったので、僕は、だらしなく、畳のすみでごろ寝しました。

 ごろごろしてばっかしだね。

 キミさんがそういうので、そんなことはないさあ。ひじをついて、ごろごろから、少しだけ起き上がりました。

 なんといっても、狭い畳の部屋ほど落ち着く場所はないですなあ。僕は心底そう思いました。

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