化粧女王を探す長い旅 by 大王

2003-12-16 松林で松と語るの巻

松と語る方法

松と看護婦

 たとえば、この松と語りましょう。キツギさんは、ひとつの松の前に立ち、瞑想しながら何かを語りかけました。

 口をはさんではいけないような気がして、だまって近くにたっているのですが、僕には、キツギさんが松を何を話しているのかわかりません。

マツと看護婦

 キツギさん。何を話しているのですか。松は饒舌なのでしょうか。

 キツギさんは、寡黙な松ですが、言葉を開くのをじっとマツことにします。

 それって、おやじギャグですか?

 日没まで時間がないので、真剣でいてください。

 はい。

松の気持ちに触れる

松と看護師

 海岸に多くの仲間と暮らしている松です。ひとりではないので、周囲の松のささやきとか、凝視を感じるのですが、松は温和な植物なので。あたたかい視線を受け続けているだけです。

松と看護師

 もうじき日没ですね。 そんな時間ですか。

 マツが日没を私たちにプレゼントしてくれるそうです。

 えー。太陽をですか。そうです。有り難いことです。

 日はまさに暮れようとしていました。松林の中を斜に貫いていた太陽は、最後の光線をマツたちのすきまから、このマツに照射してきます。

キツギさんの手に光が

松と看護師

 写真をあとで、みて、不思議な写真だなと思ったのが、これです。撮影しているときは、普通だったのに。デジカメでパソコンに転送してみると、マツがプレゼントしてくれた夕日がうつっていました。

 キツギさんの手に夕日が載っていました。

松と看護師

 ほんとうだったでしょう。

 でも、僕にはそのときは何のことかわからず、家に戻ってから『ほんとうだったんだ』と気がつきました。

 それで、キツギさんは、マツを何を話したのでしょう。

 教えて下さい。

 簡単なことですよ。こうして、マツに手をあてていると、マツの気持ちが伝わって来ます。

 私もしてもいいですか。

 いいですよ。マツは誰も拒みません。なんて優しい樹木なんでしょう。


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