化粧女王を探す長い旅 by 大王

2001-05-26 [思い出]脱出したような気になる

[思い出]脱出への彷徨

画像の説明画像の説明 脱出しようと、思い切って階段を下りることにした。登ると早く出れそうだが、それはわなかもしれないし。

 木目さんは下を選んだ。

 見覚えのある金色の柱に囲まれた空間を通過した。ここだった。ここを通ってきたのだ。

 やがてぬか喜びだったとは知らずに、僕も木目さんも大喜びした。

駐車場から脱出

画像の説明画像の説明 駐車場に出た。どこかのビルの地下駐車場だ。少なくとも、ここから地上には、確実に出れる。車の出口をたどればいいので。

 ほっとした安心感が油断だった。

 出口と書かれた出口をたどってゆくと、元いた場所にもどってくる。車ではないので大変な距離を歩いてもとの場所に戻ると大変な徒労感がある。

どうしましょう

画像の説明画像の説明 迷ってしまいました。どうしましょう。

 確信に満ちていた木目さんが、はじめて不安を口にする。これはいよいよ、ほんとうに迷ったんだ。さっきの場所に戻って最初からやりなおしたほうがいいのだろうか。

 駐車場を延々と歩いていると、少し違う場所に出る。この際、人間がいそうな場所であれば、どこでもかまわない。

アナウンスがこだまする

画像の説明画像の説明 不意に、人間の声がスピーカーを通じて届いてくる。

 ただちに駐車場から退去してください。あなたがたは、車をとめていないのに、さきほどから駐車場内を行き来しています。

 ただちに退去しない場合は、車上荒らしとみなして警察に通報します。 監視カメラでどこからか監視していたのでしょう。

出口を見つける

画像の説明画像の説明 そんなことを言っても、わからないから迷っているんだ。

 泣きをいれたくなりました。あせって速度を速めて歩き回るうちに、別のビルの入口に立ちました。

 これが、長い旅の最後になるはずでした。


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