化粧女王を探す長い旅 by 大王

2000-07-04 手に触れラれて気が充満

チカゴロ

画像の説明 近頃、ドウ過ごしていますか。

 別に淡々としたものです。ところできょうはどこに行きましょう。

 まだ、手だけを見つめていることに、緊張していたので、トコロデ、ドコニ行きましょう。言われたときには、いったいどうしたらいいのか、頭が混乱してしまいました。

画像の説明 手しか視界に入らなくなり、言葉がなくなったバッテンさんですが、手を通じて様々なことを、語り掛けてきました。

 例えばこういうことがありました。

 体調が悪いときは、手に血管が浮き出てくるというので、ケッカンが浮き上がってくるのをじっと待っています。

 どうですか。浮き上がってきましたか。

 浮き上がってきたけど、浮き上がりかたが満足ゆかないのです。こんな風ではなくて、もっともっと派手に浮き上がらない事には。

浮き上がる

 体調の悪化を願うようなことを言わなくてもよいではありませんか。浮き上がらないのならそれにこしたことはないし。

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 どうして、浮き上がらないんだろう。浮き上がってほしくないときには浮き上がっているのに。

 バッテンさんはとても残念そうでした。あきらめきれないように、血管が浮き出ている右手を、いつまでもいつまでも壁に貼り付けているのでした。

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 また、こんなこともありました。

 イシノウエニ手を置くと、ひんやりして気持ちがいいですよ。

 石ノ上ですね。石が冷たいからでしょうか。

 石は冷たいのだけど、手は暖かいから、ひんやり感がすごくあるのです。こころのなかまで染み入るひんやり感です。そんな感じってわかりますか。

手になって以後

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 わからない。そんな感じといわれても、私は手になったことがないし。手になったとしても、手でなかったときよりも、ものごとを雄弁に語るバッテンさんと同じ心境にはなれないと思います。

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 煉瓦の塀であったり、赤色灯が埋め込まれた煉瓦の壁であったり、いろいろな場所を、手が触れてゆきました。

 手が触れている間だけ、煉瓦は生命を保ち、手が離れると、生命を失います。手が触れていたら、気が充満し、手が離れたら、気が減衰する。それは不思議な光景でした。

 そうして、バッテンさんは、正確にいうと、手になったバッテンさんは、とんでもないできごとに遭遇したのです。


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