化粧女王を探す長い旅 by 大王

2004-02-08 戴帽式の記録の巻

一般的なかえる戴帽式

戴帽式なにしろ、65年ぶりのことです。前例は高齢者の記憶の中にしかなく、当時と同じ手順を正確に再現することは、もはや不可能でした。

 しかし、心の中に脈々と受け継がれていた式典の精神というものは、不思議なもので、語り継ぎ、実地に指導をうけなくとも、そのように体が動いてしまうのが不思議な点でもありました。

かえる戴帽式

 寺の境内にやってきた3人は、もっとも後輩にあたる一人の頭に直にカエル帽子をかぶせることで、新たな同志の誕生を祝福することになるのですが、これには、少しばかり手順があるのです。

 何かを語りかけるのですが、それは当事者でないとあかせない秘儀になっていて、必ず口伝されるために、記録することはできません。

街頭に出る前に

かえる戴帽式後輩は、かえる帽子をかぶった瞬間から正式な同志になります。

 そして、なごやかな午後の時間を近くの集落の訪問の時間にあてます。青年壮年の男子は、すべてこの式典の最中は、国土防衛総合大演習に動員されていて、平和台練兵場で演習をしています。

 村に残るのは、工芸や技能に優れ、兵役を免除されている青少年のみです。老人はいますが、ひっそりと奥にいるため、表には出て来ません。

親鸞さま

 どこをどのように唐突に訪問しようが、すべては、彼女達の自由です。どの家にいっても、縁側から室内に入り込み、茶菓の接待を受けることになっています。

 さて、この3人は、どこにでかけるのか、出かける先はわかりません、わかりませんが、訪問をうけた家は、このイチネン。幸福が続くと言われます。大歓迎されるわけです。

 しかし、おおはしゃぎで歓迎してはなりません。訪問を受けた側は、声を出すこともはばかられ、ひそやかに幸福をかみしめるだけなのです。

 ここに紹介する福岡県のある村の場合、訪問を受けたのは、村で木工業を営むある職人の家となりました。もちろん、この瞬間、どこにゆくのか、誰にもわかっていたわけではありませんでした。


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侃侃諤諤