化粧女王を探す長い旅 by 大王

2001-03-30 芽衣殿足袋6回目

画像の説明 純喫茶は、そういう社会の中に出現した喫茶店の聖地中の聖地でした。純然たる喫茶であり、その至高感は、現在のカフェとは、一線を画するの感がありました。祖母はよく、小さい私に、そういって聞かせていました。

画像の説明 祖母が純喫茶の従業員として働いた時間は、期間にして1年にもなりませんでした。おもいのほか、短い時間だったのです。

 純喫茶の記憶は、私自身にはありませんが、祖母の言葉を通じて、私の頭の中には、残像のように体験したことがない記憶とでもいうべきか、体験していないので記憶ではないのですが、今も思い浮かべることができるのです。

純喫茶の音楽風景

画像の説明 殿方は、私の手だけを見ていました。あの時代。純喫茶にソファは、体が沈むふかふかのソファになっていて、そこでゆっくりとした時間をすごす人が多かったです。

画像の説明 一人で来ている方の大半は男でした。タバコを手に、何時間も本を読んでいたものです。コーヒーを飲みながら、音楽を聴いている方もいました。

手だけを見つめる

画像の説明 ウエイトレス。われわれメイド服の女子従業員は、ウエイトレスと呼ばれていたのですが、今でいうメイド風の制服を支給されていました。

画像の説明 この制服が着たくて、校則違反を承知でアルバイトする女学生もいました。私のように、社会人になってから、好奇心で働く人もいました。男性客の視線は、私の手に集まっていました。

直視はない。手に集中する視線

画像の説明 現代でしたら、メイド服を着ている私のことを、どの客もぶしつけに、見てくるはずです。 カオとか、足とか、体つきとか。あなたが、メイド喫茶で、そうしているように。

画像の説明 えええー。やっぱりばれているのか。僕はどっきりとしました。 確かに現代では、メイド服を着た本体がどのような方なのか、気になると、さりげなさを装うがための、異常な不自然さで、メイド服の本体をちちらちら、じろじろと、なにがなんでもみる。

 また、みるまでもなくメイドの方が腰をかがめて、みせてくれる。


2001年
3月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

侃侃諤諤