化粧女王を探す長い旅 by 大王

2001-03-29 芽衣殿足袋4回目

[芽衣殿足袋]

画像の説明 エレベータは突然、地上に出て、川のそばに出ました。夜の川は、周囲の街灯を反射していて、水が鏡のようにも見えます。

画像の説明 僕がやっとの思いで、追いついてきたとき、メイさんは、おばあちゃんのお下がりという、昭和40年代の純喫茶の制服を着ていました。

真実のメイド

画像の説明 メイドブームには憤慨しているんです。許せません。

 メイさんがあまりにも緊迫した声でそう宣言しますので、僕は、一瞬びっくりしました。先週の木曜日に、ひそかにメイドカフェにでかけたことが、メイさんにばれているのではないか。やばい。ばれたらいやだ。

画像の説明 しかし、ばれているのかどうか、不明ですので、やぶへびになってもいけませんから、ここはメイさんの意見をいうものを聞いてみたいと思います。

質問があります

画像の説明 いまお召しになっているメイド服は、最近のものではないのですか。

画像の説明 違います。 通販で購入したものではないのですね。 違います。 メイド喫茶従業員の支給品でもないのですね。

 違います。

このメイド服は

画像の説明 昭和40年代のことです。時代は、歌声喫茶全盛時代だった、昭和30年代前半の流れをいまだ濃厚にひきづっていました。

画像の説明 若い世代にとって、喫茶店こそは、音楽を愛し、談論を交わす社会的な社交場だったのです。喫茶店は、われわれ祖母の時代には、時代の聖地としての存在だったのです。

 長い話になりそうだな。僕は覚悟しました。祖母の精神が降臨しているのかもしれない。

 うっとりと陶酔状態のメイさんをみながら、彼女の祖母の時代のことを思い浮かべました。


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