化粧女王を探す長い旅 by 大王

2001-02-14 テツノハシラ以後

テツノハシラの威力

画像の説明画像の説明あの日、あれほどついてきて欲しいといった私に、テツノハシラとの会見後、木目さんは何も語らないまま、帰路につきました。 私も、木目さんに何も語ることはしませんでした。

 木目さんは、テツノハシラと会い、私はその光景を見た。会うのと見るのとでは決定的に違う何かがあったのです。

私はテツノハシラの力を今では信じています

画像の説明画像の説明 どこにでもあるビルのエレベータホールにある、単なる鉄の柱に、何かの力がこもるなんてことは、信じることができません。

 人間が作った無機質な物体にすぎないではありませんか。

 木目さん。木目さんだって、ほんとうはそう思っているはずです。

 しかし、あの場所で目撃した、あの時間帯のテツノハシラは、他とは違う何かがある。これを書いているうちに、存在感そのものが、背後にしっかりと迫っているのを感じることができます。

 テツノハシラ様!そう呼びたくなるような、気持ちの昂ぶりを抑えることができません。

木目さんは、たえず微笑んでいました

画像の説明画像の説明 私の帰る時間が迫っていました。木目さんは、眼前に私がいないかのように、私ではない誰かに、きっとそれはテツノハシラのために、たえず微笑んでいました。

 うれしそうです。木目さん。どうして一人で行かなかったんですか。私が同行する理由はひとつもなかったはずです。

 しかし、現実には、私は木目さんに同行してテツノハシラの所在を知ることができたのです。木目さんは、なんのために、私に同行してほしかったのか。

 今となっては、まったくの謎です。木目さんは、それきり私からの連絡に応じなくなり、なにごともなかったかのように、私のありふれた日常が再び始まったのでした。


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