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朝日新聞(10/26)「文芸時評」で鴻巣友季子さんにアン・カーソン『赤の自伝』を取り上げていただきました。

朝日新聞(10/26)「文芸時評」で鴻巣友季子さんにアン・カーソン『赤の自伝』(小磯洋光訳)を取り上げていただきました。

「ギリシャ神話「ゲリュオン譚」の翻訳から生まれた快作だ。(……)

英雄ヘラクレスではなく退治される怪物の視点から物語り、決まりきった形容字句を廃していった。カーソンは現代英語の外に出て古代の異言語を翻訳することで閃きを得たのだろう。その舞台を20世紀に移し、同性愛カップルの旅の物語に翻案した。(……)

古代ギリシャの叙事詩の雄々しい韻律をすて、カーソンが採ったのは抒情的で韻律のないヴァース・ノベル(詩と小説の融合)の文体だ。内容、形式とも悉く「男のヒロイズム」の足を払って痛快。エクソフォニーのもたらす解放を感じた」

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15455914.html