新着情報

『青い舌』刊行記念 山崎聡子さん×柴田葵さんオンライントークイベント「82年生まれ、わたしたちの短歌ナイト」を開催します。

『青い舌』刊行記念 山崎聡子さん×柴田葵さんオンライントークイベント

「82年生まれ、わたしたちの短歌ナイト」


山崎聡子さんの第二歌集『青い舌』(書肆侃侃房)が2021年7月に刊行されました。
この刊行を記念し、オンライントークイベントを開催します。山崎聡子さんの対談相手として、柴田葵さんにご登壇いただきます。柴田葵さんは第1回笹井宏之賞大賞を受賞し、歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を2019年12月に刊行されました。同じ82年生まれの歌人として時代感覚を共有しながら活躍するおふたりが、お互いの歌集を読んで感じたこと、「母と子の関係性」「親であること」「ジェンダー」「仕事」などのテーマを短歌に詠むことについて、制作のこぼれ話など、ざっくばらんに楽しくお話いただきます。

 

********************************************************************

日時:2021年9月4日(土)19:00~20:00

出演:山崎聡子さん、柴田葵さん

配信方法:YouTube

チケット料金:500円

チケット購入方法:本のあるところ ajiroオンラインストア

※イベントから10日間は、アーカイブ視聴が可能です(9/14まで)。

主催:本のあるところ ajiro

お問い合わせ:ajirobooks@gmail.com(担当:坂脇)

********************************************************************

【書誌情報】

山崎聡子『青い舌』

http://www.kankanbou.com/books/tanka/gendai/0470
 

柴田葵『母の愛、僕のラブ』

http://www.kankanbou.com/books/tanka/sasai/0387

********************************************************************

お互いの10首選 ~トーク中に取り上げたい歌として、山崎さんと柴田さんにお互いの短歌を10首選んでいただきました~

山崎聡子『青い舌』より10首(選者・柴田葵)

君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前
鶏肉が生きてたときの体温のスープを飲ませる舌を出させて
尊師マーチ歌って風が吹いているベランダで書く色ペンの遺書
ひとはこころは壊れやすくて原君の荷物「はらばこ」に詰められていく
夕立ちに子どものあたま濡れさせて役に立たない手のひらだった
わからないことが多いからビニール袋しいて子供をそこに寝かせた
西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ
湿った裸足が嫌だったけど同じことを繰り返しあなたにしなさいと言う
あなたを抉る夕日がくるよすべり台の銀のむきだしの背中のうえに
子の頭に帽子をのせて長生きをしてもしなくてもあなたをまもる

柴田葵『母の愛、僕のラブ』より10首(選者・山崎聡子)

プリキュアになるならわたしはキュアおでん 熱いハートのキュアおでんだよ
殴られて私だけ泣かないでいた放課後 夕陽に燃やされる犬
好きだからするの見ていて生脚にスティック糊を塗る行為とか
模造紙に自分の姿を写しとり毛を描けという性教育の
幾人も私の内に住まわせて いいの、全部を連れていくから
窓際のマトリョーシカはかろやかに女が女に女へはいる
僕らはママの健全なスヌーピーできるだけ死なないから撫でて
なん万の原始卵胞だきしめてただただ広い公園へゆく
飽きるほど誕生日してめくるめくまっ白な髪を抱きしめあおう
産むことと死ぬこと生きることぜんぶ眩しい回転寿司かもしれず
 

【プロフィール】
 

山崎聡子(やまざき・さとこ)
1982年栃木県生まれ。大学2年生のときに水原紫苑の授業をきっかけに短歌を書きはじめ、同人誌「pool」、ガルマン歌会などに参加。未来短歌会所属。2011年「死と放埓なきみの目と」で第54回短歌研究新人賞。2014年第1歌集『手のひらの花火』(短歌研究社)で第14回現代短歌新人賞受賞。2021年7月、歌集『青い舌』(書肆侃侃房)を刊行。好きな食べ物:タイ料理全般と貝類。


柴田葵(しばた・あおい)
1982年神奈川県生まれ。2014年、9年間勤務した銀行を辞めたことをきっかけに短歌を続けていこうと決心する。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞を受賞し、副賞として歌集『母の愛、僕のラブ』を出版。公募ガイドONLINEにて「あなたとよむ短歌」連載中。トーチwebにエッセイ、週刊文春に書評を寄稿するなど、文章の執筆にも取り組んでいる。育児クラスタ短歌部「いくらたん」、作りながら生きていくための同人「Qai」に参加。