『二重のまち/交代地のうた』刊行記念 瀬尾夏美さん×濱口竜介さんトークイベント「そこから物語がうまれるということ」が開催されます。
『二重のまち/交代地のうた』刊行記念
瀬尾夏美さん×濱口竜介さんトークイベント
「そこから物語がうまれるということ」
日時:2021年5月8日(土)18:00~20:00
参加方法:本屋B&Bへの来店もしくはオンライン配信
http://bookandbeer.com/event/20210508b/
『二重のまち/交代地のうた』(瀬尾夏美)が2月に刊行になりました。
東日本大震災の復興工事に伴う嵩上げが盛んだった2015年の陸前高田で、かつての町跡が失われていく過程を眺めながら、「これからもこのまちを見続けるために、何か杖になるような物語が欲しいと思った」ことから、「二重のまち」は書かれました。被災地で出会ってきた人びとをモデルに震災から20年後の2031年を描いた物語です。このほかに、陸前高田市でのワークショップでの聞き取りをもとに書き上げられた「交代地のうた」と日々の記録「歩行録」(18~21年)が一冊になりました。瀬尾さんが小森はるかさんと共同で監督を務めた映画『二重のまち/交代地のうたを編む』も公開中です。
一方の濱口竜介さんは今年、『偶然と想像』で第71回ベルリン国際映画祭審査員グランプリを受賞しました。2011年から2013年にかけ「東北記録映画三部作」として、『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を制作されました(酒井耕さんとの共同監督)。
久しぶりの再会となるお二人には、『二重のまち/交代地のうた』について語っていただきながら、「映画をなぜつくるのか?」「東日本大震災後の気づきがどのように今につながっているか?」をお話しいただきます。
また、さらにそこから踏み込んで、「そこから物語がうまれること」についても語っていただきます。
ぜひ、ご参加ください。
【出演者プロフィール】
瀬尾夏美(せお・なつみ)
1988年、東京都足立区生まれ。宮城県仙台市在住。土地の人びとの言葉と風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2011年、東日本大震災のボランティア活動を契機に、映像作家の小森はるかとの共同制作を開始。2012年から3年間、岩手県陸前高田市で暮らしながら、対話の場づくりや作品制作を行なう。2015年宮城県仙台市で、土地との協働を通した記録活動をする一般社団法人NOOK(のおく)を立ち上げる。現在も陸前高田での作品制作を軸にしながら、“語れなさ”をテーマに各地を旅し、物語を書いている。ダンサーや映像作家との共同制作や、記録や福祉に関わる公共施設やNPOなどとの協働による展覧会やワークショップの企画も行なっている。参加した主な展覧会に「ヨコハマトリエンナーレ2017」(横浜美術館・横浜赤レンガ倉庫、神奈川、2017年)、「第12回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、東京、2020年)など。単著に『二重のまち/交代地のうた』(書肆侃侃房)、『あわいゆくころ 陸前高田、震災後を生きる』(晶文社、第7回鉄犬ヘテロトピア文学賞)がある。文学ムック「ことばと」vol.2 で初小説「押入れは洞窟」を発表した。
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)
1978年⽣まれ。2008年、東京藝術⼤学⼤学院修了制作の『PASSION』が国内外の映画祭に選出され、監督としてのキャリアを本格スタートさせる。2015年に317分の⻑編映画『ハッピーアワー』が数多くの映画祭で主要賞を受賞。2018年、商業映画デビュー作『寝ても覚めても』でカンヌ国際映画祭コンペティションに選出され、世界30ヶ国で劇場公開された。2019年からはニューヨーク、パリ、ソウル、トロント等、世界中の都市で特集上映も開催されている。