ユニヴェール23
『この窓じゃない』
佐倉麻里子
ISBN 978-4-86385-668-4 C0092
定価:本体2,100円+税
四六判、並製、136ページ
装画:mame
ここじゃない場所でこれじゃないくらしをしたい 早めにめくるカレンダー
ネガティブを反転させるユーモア。
佐倉さんの歌が、幅広い読者に受け入れられる
ことを強く予感している。―伊波真人
不安障がいのせいでろくに学校に通えず、引きこもりだった私は、常に劣等感を感じていて、悲しくて、死を身近なものとして感じていた。
私にとって、短歌は初めて劣等感を感じずに楽しめるものだった。それがどれほど嬉しかったか!
その喜びが大きかったからこそ、十年以上短歌を作り続けてきたのだと思うし、きっとこれからも作り続けてゆくのだろうと思う。
(あとがきより)
【収録歌より】
写真付きの身分証ひとつも無くて私は私で合っていますか
「ゆううつ」とフリック入力する指が軽快すぎるから見においで
仮装大賞のランプに例えつつ急な体調不良の話
イヤリングを外し忘れていつもよりおしゃれな顔で湯船に浸かる
ひとりでは歩けそうにない雑踏をウォーリーに似た恋人と行く
【著者プロフィール】
佐倉麻里子(さくら・まりこ)
1987年生まれ。茨城県出身。
2012年ごろから作歌をはじめ、NHK短歌や毎日歌壇などに投稿。
第62回短歌研究新人賞候補作。
ユニヴェール
新鋭短歌シリーズ、現代歌人シリーズが生まれ、
短歌世界は思いもかけない方向にひろがりをみせている。
そして今、新しいレーベルが生みだされる。
ユニヴェールとは、短歌の壮大な宇宙。
これからもきっと、新しい歌人との出会いが待っているにちがいない。