ユニヴェール21
『デカンの風がやむとき』
須田覚
ISBN978-4-86385-640-0 C0092
定価:本体2,100円+税
四六判変形、並製、136ページ
空港に揺れる国旗はゆうゆうとデカンの風を手繰り寄せつつ
インド↔日本
無意識の混沌が押し寄せてくる
イメージと音による
シュルレアリスムの世界
――加藤治郎
【収録歌より】
目に見えぬものに追われて夕暮れの西ベンガルに息をひそめる
水差しの静けさだけを受け入れて僕は光とひとつになった
てのひらに僕の頭は支えられ喉にふくらむ粥の甘さは
地に落ちた蜻蛉の動く小刻みに蟻には蟻の歩幅があって
来た道もゆくべき場所も失って椎弓を這うデカンの風は
【著者プロフィール】
須田覚(すだ・さとし)
1965年 長崎市生まれ
1996年‐2000年 イタリア駐在
2018年‐2023年 インド駐在
2020年7月 第一歌集『西ベンガルの月』刊行
現在 会社役員、未来短歌会会員、つくば市在住
ユニヴェール
新鋭短歌シリーズ、現代歌人シリーズが生まれ、
短歌世界は思いもかけない方向にひろがりをみせている。
そして今、新しいレーベルが生みだされる。
ユニヴェールとは、短歌の壮大な宇宙。
これからもきっと、新しい歌人との出会いが待っているにちがいない。