書籍

『最初ギリッとふたを開け』 佐藤理江

ユニヴェール16
『歌集 最初ギリッとふたを開け』
佐藤理江


四六判/並製/144 ページ
定価:本体1900 円+ 税
ISBN978-4-86385-492-5 C0092

佐藤理江はノーマルな歌人である。
普通の教育を受け、普通のおとなになったのだろう。
そんな歌人の短歌が抵抗の色を帯びて見えるとしたら、それは世界が、状況が普通ではないのである。きわめて真っ当な感覚の歌人の真っ当な短歌が、今、ボディブロウとして効いてくる。
藤原龍一郎


2021年10月全国書店で発売。

 

【自選5首】

ショット缶最初ギリッとふたを開けあとはその都度くるくる回す
真ん中で真っ赤に放射しつづけたむかしの祖国、っぽいサイレンだ
映像のコマが飛ぶたび天皇はとても鋭い手刀をきる
スリッパが片方落ちた玄関のままのお出かけ嬉しいね、さっちゃん
押し花の色をきれいと思えないけどありがとう大事にするね
 
 

【著者プロフィール】
佐藤理江(さとう・りえ)
1967 年 東京生まれ 
2002 年 第1歌集『虹の片脚』 
2003 年 未来入会 
2005 年 第2歌集『箱船』 
2008 年 第3歌集『避雷針の先端の銀』 
2012 年 未来賞受賞 第4歌集『西日が穏やかですね』
2017 年 第5歌集『あったこともない人々』 埼玉県歌人会理事

 

ユニヴェール
新鋭短歌シリーズ、現代歌人シリーズが生まれ、
短歌世界は思いもかけない方向にひろがりをみせている。
そして今、新しいレーベルが生みだされる。

ユニヴェールとは、短歌の壮大な宇宙。
これからもきっと、新しい歌人との出会いが待っているにちがいない。