書籍

『まばたきで消えていく』 藤宮若菜

新鋭短歌シリーズ53
『まばたきで消えていく』
藤宮若菜

監修:東直子
四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-468-0 C0092  2刷
 

遺書のようなラブレター
「さみしい」と「死にたい」と「愛してる」をいっぺんに感じた人
にしか、書けない歌がある
────ハルカ(ハルカトミユキ)

命の際の歌が胸を突く 
残酷すぎるこの世だけれど、人間を知りたいと心から願っている。肝を据えて見つめ直す愛おしい日々。
────東直子

 

【著者プロフィール】 
藤宮若菜(ふじみや・わかな)
1995 年生まれ。2012年、福島遥の短歌に出会い本格的に作歌を始める。日本大学藝術学部卒業。


【5首】
寝ころんであなたと話す夢をみた 夏で畳で夕暮れだった
これは異性のための表情(待って)(もう行こうよ)(わたしたちでいたいよ)
生まれ変わったら台風になりたいねってそれからは溶ける氷をみてた
いつまでも少女でいてとコンタクトレンズを踏みつぶすような祈り
煙草入り缶チューハイが倒れてる ふたりはふつうに暮らしましたでした
 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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