書籍

『蝶は地下鉄をぬけて』 小野田光

新鋭短歌シリーズ45
『蝶は地下鉄をぬけて』
小野田光
監修:東直子

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-347-8 C0092

【帯文】
放物線をながめるように

見わたすと、この世は明るくておもしろい。
たとえ何かをあきらめるときであっても。
(東直子)


【著者プロフィール】
小野田光(おのだ・ひかる)
1974年、東京都生まれ。「かばん」会員。
2018年、「ホッケーと和紙」により第64回角川短歌賞佳作。
フォトグラファーとして、主に人物肖像、スポーツ写真などを撮影。
@hikarutanka

【5首】
つめたさのない夏なんてあるものか さよならの著作権はぼくのだ
国境を解かれた陸の果てに舞う百年のちの手旗信号
君は鳥になっても信号待ちをする枇杷の実ほどの自信を抱いて
間違えた靴のままゆく舗装路が海になっても終わらない夢
ローム層にしずかな記憶抱く街で八万台の複写機光る

新鋭短歌シリーズ

今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

http://www.shintanka.com/shin-ei/