書籍

『惑星ジンタ』 二三川練

新鋭短歌シリーズ44
『惑星ジンタ』
二三川練
監修:東直子

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-346-1 C0092


【帯文】
魂はどこにでもいける

生と死の水際にふれるつまさき。
身体がこぼさずにはいられなかった言葉が、立ち上がる。
(東直子)

【著者プロフィール】
二三川練(ふみがわ・れん)
日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程芸術専攻在籍。研究対象は寺山修司の俳句と短歌。象短歌会、俳諧無心、詩会クレプスカに所属。練くん連句の会主催。
 

【5首】
うつくしい島とほろびた島それをつなぐ白くて小さいカヌー
心さえ無かったならば閉園のしずかに錆びてゆく観覧車
松葉杖で木星を歩く ここでしか吹けない君のろうそくがある
熱傷をはだかの腕にひからせてあなたがひらく犬の肋骨
喉をもつ空が洩らした嬌声のねえさん、星をもう蹴らないで

新鋭短歌シリーズ

今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

http://www.shintanka.com/shin-ei/

書評

「現代短歌新聞」96号 評者=山下翔さん
《完璧な客観というものがないとして、そのぶん、というべきか、主観のとり方はいくらでもあるようにおもう。ひとつの主体のなかの、無限にたくさんの主観が、たったひとつの極小なる客観を凝視する。〈なる〉ととらえる眼差しは、そんな強さを、うたの韻律とは裏腹にじわじわと感じさせるのだ》