新鋭短歌シリーズ38
『冒険者たち』
ユキノ進
監修:東 直子
四六、並製、144ページ
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-309-6 C0092
装画・装幀 岩﨑悦子
現実を切り開くための羅針盤
シビアな社会を生きぬく人々の奇妙な熱気が、
街に、海に、遠い闇に、浮遊する。
(東 直子)
2018年4月中旬全国書店にて発売。
【著者プロフィール】
ユキノ進(ゆきの・すすむ)
歌人、会社員、草野球選手。
1967年生 福岡県出身。
九州大学文学部フランス文学科卒業。
2014年、第25回歌壇賞次席。
Twitter : @susumuyukino
【5首】
午後ずっと猫がふざけて引きずった魚のまなこが見上げる世界
誰かの手を離れる風船 世界から失われゆくひとつのかたち
残業の一万行のエクセルよ、雪原とおく行く犬橇よ
海図にない島が見つかり朝焼けの波濤を越える海鳥の群れ
船乗りになりたかったな。コピー機が灯台のようにひかりを送る
新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。
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