書籍

『タンジブル』 鯨井可菜子

新鋭短歌シリーズ2
『タンジブル』
鯨井可菜子
監修:東 直子

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-112-2 C0092 
装画:河上 ののこ 2刷

生物であることの実感
嫌なことや悲しいことによって一度しゃがんでも、ずっと闇の中にい続けたりはしない。九州、福岡の明るい光の中で育ったことが影響しているのかもしれない。
東 直子(解説より)

2013年5月下旬全国書店にて発売。
 

【著者プロフィール】
鯨井可菜子(くじらい・かなこ)
1984年4月生まれ。福岡県立筑紫丘高校、九州大学芸術工学部卒。デザイン会社勤務を経て、現在フリーランスの編集者・ライター。「かばん」「星座」に所属。
 

【5首】
さよならって言おうとしたら足許にきれいな刺繡糸があったの
阿佐ヶ谷の画家の家にて昼下がりファム・ファタールが茹でるそうめん
しのぶれど色に出でにけるわたくしと飲む焼酎はおいしいですか
風光る夏の画塾よ弟がスケッチブックを見せてくれない
わたしには無理なんですと雨上がりにぐっしょり濡れた日傘ひらいて
 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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