現代歌人シリーズ33
『青い舌』
山崎聡子
四六判変形/並製/160頁
定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-86385-470-3 C0092
装幀 花山周子
第3回塚本邦雄賞受賞!!
舌だしてわらう子供を夕暮れに追いつかれないように隠した
子供との時間のなかに
前世のような記憶の翳がさす。
いつか、どこかで、わたしは立っていた
2021年7月刊行。
【自選5首】
君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前
西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ
蟻に水やさしくかけている秋の真顔がわたしに似ている子供
ヒメジョオンの汁でつくったマニキュアでにぶく光っていた爪の先
遮断機の向こうに立って生きてない人の顔して笑ってみせて
【著者プロフィール】
山崎聡子(やまざき・さとこ)
1982 年栃木県生まれ。
早稲田大学在学中に作歌を始め、2010 年「死と放埓なきみの目と」で
第53回短歌研究新人賞受賞。
2013年第1歌集『手のひらの花火』( 短歌研究社) で第14 回現代短歌新人賞受賞。
2022年『青い舌』で第3回塚本邦雄賞受賞。
pool、「未来」短歌会所属。