現代歌人シリーズ17
『眠れる海』
野口あや子
四六判変形、並製、168ページ
定価:本体2,200円+税
ISBN978-4-86385-276-1 C0092
写真 三品鐘
衣装 Lhiannan:Shee
装幀 藤本康一
なんてきれい 蓮 半身を横たえるときは髪からたわみはじめて
眠りの海から溢れ出し、たゆたい
白い衣を纏って紡ぎだされる
しずかな祈りが
火の歌、水の歌、地の歌が
ひたひたと寄せてくる
写真・三品鐘、衣装・ Lhiannan:Shee、短歌・野口あや子のコラボレーション歌集。
2017年9月中旬全国書店にて発売。
著者プロフィール
野口あや子(のぐち・あやこ)
1987年岐阜県生まれ、名古屋市在住。
「未来」短歌会会員。2006年、「カシスドロップ」にて第49回短歌研究新人賞を受賞。2009年、第一歌集『くびすじの欠片』(短歌研究社)を刊行。同歌集にて現代歌人協会賞を受賞。ほか歌集に『夏にふれる』『かなしき玩具譚』(ともに短歌研究社)。詩人・三角みづ記との共著に『気管支たちとはじめての手紙』(マイナビ・電子書籍)。作歌ほか他ジャンルとの朗読活動も行っている。
現代歌人シリーズ
現代短歌とは何か。前衛短歌を継走するニューウェーブからポスト・ニューウェーブ、さらに、まだ名づけられていない世代まで、現代短歌は確かに生き続けている。彼らはいま、何を考え、どこに向かおうとしているのか……。このシリーズは、縁あって出会った現代歌人による「詩歌の未来」のための饗宴である。
現代歌人シリーズホームページ:http://www.shintanka.com/gendai
「anan」2020年9月23日号 評者=手塚マキさん
《彼女の選ぶ言葉の世界観に浸ると、まさに、この歌集のタイトルのように、自分の心の奥底にある暗い深海を漂っているような心地になる。自分の記憶を自分が貪るように促す侃侃をおぼえます》