書籍

『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』 尾崎まゆみ

『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』
尾崎まゆみ

四六判、並製、200ページ
定価:本体2,000円+税(重版から価格改定) 2刷
ISBN978-4-86385-374-4 C0095

装画 杉本さなえ

2020年は塚本邦雄生誕百年

ゆきたくて誰もゆけない夏の野のソーダ・ファウンテンにあるレダの靴

塚本邦雄の短歌をやわらかく、わかりやすい言葉で紐解く、塚本の薫陶を受けた著者ならではの一冊。塚本ファンはもちろん、塚本初心者の読者にこそ届けたい。塚本邦雄の短歌の魅力「美しい空白」を味わうために……。


八〇年代後半、若くして塚本邦雄に出逢ってしまった著者は、塚本ワールドの虜になり、塚本が語る短歌と言葉の世界に引き込まれていく。塚本亡き後、訪れた日本現代詩歌文学館で、偶然、塚本の遺品に遭遇した著者に、あの醸成された至福の時間が還ってくる。そしてふたたび、塚本の短歌とともにあるき始める。
二〇二〇年、塚本邦雄は生誕百年を迎える。

2023年5月重版決定!
書評家・作家の渡辺祐真(スケザネ)さんに推薦文をいただきました。

戦後短歌を切り拓き、今でも多くの歌人に影響を与え続けている短歌の巨星・塚本邦雄。彼の短歌を分かりたいと思った。だが、彼の作品は難しかった。そんな時助けられたのが、この本。塚本の短歌が身近になったあの感動は忘れられない。荒れ狂う言葉とイメージを摑む極意がここに。短歌一般を味わうためのカギもたくさん眠っている。難解な短歌が楽しくなる一冊。


2019年9月初旬全国書店にて発売。


【著者略歴】
尾崎まゆみ(おざき・まゆみ)
一九五五年愛媛県今治市生まれ。
一九七七年早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。
一九八七年塚本邦雄と出会い師事、「玲瓏」入会。
一九九一年「微熱海域」三十首により第三十四回短歌研究新人賞受賞。
現在「玲瓏」撰者、編集委員。「神戸新聞文芸短歌」選者、伊丹歌壇選者。
神戸新聞文化センター、読売文化センター、NHK神戸文化センター、コープ神戸などの講師。
日本文芸家協会、現代歌人協会会員。

歌集
『微熱海域』(一九九三年書肆季節社)
『酸つぱい月』(一九九八年砂子屋書房)
『真珠鎖骨』(二〇〇三年短歌研究社)
『時の孔雀』(二〇〇八年角川書店)
『明媚な闇』(二〇〇九年短歌研究社)日本歌人クラブ近畿ブロック優良歌集賞
『奇麗な指』(二〇一三年砂子屋書房)

セレクション歌人一二『尾崎まゆみ集』(二〇〇四年邑書林)
共著『山中智恵子論集』(二〇一三年現代短歌を読む会編)
共著『葛原妙子論集』(二〇一五年現代短歌を読む会編)
『尾崎まゆみ歌集』現代短歌文庫一三二砂子屋書房 二〇一七年
『文庫版塚本邦雄全歌集第二巻』に エッセイ執筆

 

書評・インタビュー

毎日新聞」2019年9月23日 詩歌の森へ 「「レダの靴」の導き」 評者=酒井佐忠さん

《塚本ワールドの魅力をわかりやすく伝えてくれる。現代短歌の巨匠の塚本の美意識にあふれた言葉の世界に再び接することができる一冊だ》

「朝日新聞」2019年10月10日 テーブルトーク
《「前衛とひとくくりにしないで、短歌でこんな遊びもできるよという面白さを伝えたい」》

「週刊読書人」2019年11月15日 評者=宮崎智之さん

《師が目撃しなかった惨状を前にして、なおも書き続ける尾崎。その筆に、自由さを楽しみながらも、過去から湛えられた「言葉」の重みを受け取る覚悟が備わっていく様を、読者は感じることができるだろう》