現代短歌クラシックス11
『緑の祠』
五島諭
四六判変形/並製/144ページ
定価:本体1,500円+税
ISBN978-4-86385-558-8 C0092
装幀:加藤賢策
海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている
「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。
「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより)
【収録歌より】
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋
怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒
身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は
栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか
【著者プロフィール】
五島諭(ごとう・さとし)
1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。
同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。