現代短歌クラシックス03
『四月の魚』
正岡豊
四六判変形/並製/128ページ
定価:本体1,400円+税
ISBN978-4-86385-407-9 C0092
装幀:加藤賢策
1990年の初版刊行から30年。
未発表を含む「風色合衆国」(40首)を追加収録。
【歌集より】
夢のすべてが南へかえりおえたころまばたきをする冬の翼よ
きみがこの世でなしとげられぬことのためやさしくもえさかる舟がある
無限遠点交わる線と線そこにひっそりときみのまばたきがある
さかなへんの字にしたしんだ休日の次の日街できみをみかけた
風に問わば風がこたえる約束をまもれはるかなライト兄弟
みずいろのつばさのうらをみせていたむしりとられるとはおもわずに
【著者プロフィール】
正岡豊(まさおか・ゆたか)
1962年大阪市此花区で生まれる。1980年頃より作歌をはじめる。1990年歌集『四月の魚』刊行。1992年別名義で第5回俳句空間新人賞受賞。2000年『四月の魚』再販刊行。2004年「短歌ヴァーサス」6号に「四月の魚」補遺とともに収載。現在京都在住。