歌集『天国さよなら』
藤宮若菜
四六判、並製、144ページ
定価:本体1,800円+税
ISBN 978-4-86385-657-8 C0092
装幀:花山周子
解説・帯文:雲居ハルカ(ハルカトミユキ)
2025年1月下旬発売予定
わたしが死ねばわたしはうまくいくだろう自販機煌々ひかる夜道に
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この世もあの世も同じ朝焼け
ひとりなのにあたたかいのは、わたしたちが「誰かの不在」でできているから。
——雲居ハルカ(ハルカトミユキ)
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東直子が「命の際の歌が胸を突く」と評した
『まばたきで消えていく』の歌人・藤宮若菜
生と死、そしてその間にあるすべてのものへ
さみしさの先で光り輝く第二歌集
春はもう来ないとしても生きていてあなたは苺を洗ってくれた
最低な夜に回収されてゆく廃品みんなしあわせになれ
忘れ物みたいなからだ引きずって環七 みんな 生きているかな
きみといた日々のすべてが比喩になりときどき月あかりで目をさます
暮れていく季節に置いていかれてもうつくしい誤字のように生きるよ
夢から目覚め、静けさにまどろみながらもう一度毛布をかぶるとき、傍にこの歌集があったら、「この世の天国も悪くない」そんな風に思える気がするのだ。
——雲居ハルカ・解説より
【著者プロフィール】
藤宮若菜(ふじみや・わかな)
1995 年生まれ。2012年、福島遥(雲居ハルカ)の短歌に出会い本格的に作歌を始める。日本大学藝術学部卒業。2021年、『まばたきで消えていく』(書肆侃侃房)を刊行。