書籍

『koro』榊原紘

『koro』
榊原紘

四六判変形、上製、208ページ
定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-86385-588-5 C0092

装丁 佐野裕哉

栞 江戸雪 黒瀬珂瀾 水原紫苑

 

眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する

『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。

 

2023年8月全国書店にて発売です。

 

【栞文より】

「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪)

「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾)

「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑)

 

【収録歌より】

銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す

百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史

額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う

ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ

ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい

 

【栞】

江戸雪「滅びの思考」

黒瀬珂瀾「かずかぎりなきあなたとわたし」

水原紫苑「宝剣の一行」

 

【著者プロフィール】

榊原紘(さかきばら・ひろ)

1992年愛知県(三河)生まれ、奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞、第31回歌壇賞次席。2020年、第一歌集『悪友』刊行。短詩集団「砕氷船」の一員。

書評・掲載情報

2023年

anan 10月11日号 「anan世代女性歌人のいまを知る。突き刺さる、短歌の言葉。」 評者=岡本真帆さん

《描かれるのは「二人」の関係性。想像力を掻き立てて、希望へ誘う》