書籍

『起きられない朝のための短歌入門』我妻俊樹・平岡直子

『起きられない朝のための短歌入門』

我妻俊樹・平岡直子

四六判/並製/224ページ

定価:本体1,700円+税

ISBN978-4-86385-583-0 C0095 2刷

デザイン:戸塚泰雄(nu)

装画:ムラサキユリエ

 

対談に耳を傾けながら短歌の作り方/読み方がよくわかる

ストレンジャー(よそ者)のための短歌入門書

 

平岡直子さんによる「はじめに」をweb侃づめにて公開中です!

 

<扱われるテーマ>

「最初の一首」のつくりかた/スランプののりこえかた/連作のつくりかた/歌に使われがちな語彙

推敲のしかた/テーマ詠の難しさ/いい批評とは何か/破調/虚構の歌/口語と文語

わからない歌/歌集をつくること/学生短歌会/新人賞/同人誌と歌集/短歌と夢/詩的飛躍

速い歌と遅い歌/「人生派」と「言葉派」/作中主体とは何か/信頼できない語り手 ほか

 

 

「難しいのは、自分の短歌を物足りなく感じはじめたときだ。なにを、どう書くべきなのか。自分の文体とはなんなのか。

ヒントとして、脳をこじあけて強制的にまぶしい光を浴びせてくるような言葉がこの本のなかにひとかけらでもあればいいと思う」

(平岡直子)

 

「他の入門書を読んでなんだかしっくりこなかったり、短歌で道に迷ってしまったと感じている人がこの本を読んで、なにかしら励まされるところがあったとしたらとてもうれしい」

(我妻俊樹)

 

2023年11月発売です。

 

【目次】

はじめに(平岡直子) 試し読み公開中!

第1部 つくる

第2部 よむ

第3部 ふたたび、つくる

おわりに(我妻俊樹)

著者作品二十首

***

◎コラム

我妻俊樹「かわむきき と かなしい の か」「曖昧さとシンメトリー」「本歌取りについて」「韻律起承転結説」

平岡直子「パーソナルスペース」「雨戸と瞼」「日の字」「心の底で」

 

【著者プロフィール】

我妻俊樹( あがつま・としき)

1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2016年、同人誌「率」十号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」を発表。2023年に第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(書肆侃侃房)上梓。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行中。2005年「歌舞伎」で第三回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。著書に『奇談百物語 蠢記』(竹書房怪談文庫)などがある。

 

平岡直子( ひらおか・なおこ)

歌人。1984年に神奈川県に生まれ、長野県に育つ。2006年、早稲田短歌会に入会し、本格的に作歌をはじめる。2012年、連作「光と、ひかりの届く先」で第23回歌壇賞受賞。2013年、我妻俊樹とネットプリント「馬とひまわり」( のちに「ウマとヒマワリ」)の発行をはじめる。2021年に歌集『みじかい髪も長い髪も炎』を刊行、同歌集で第66回現代歌人協会賞を受賞。2022年には川柳句集『Ladies and』を刊行。現在「外出」同人。

書評・掲載情報

毎日新聞(11/29) 文芸時評 11月 私のおすすめ  評者=渡辺祐真(スケザネ)さん
《短歌に限らず、あらゆる芸術の創作や受容に響く内容だった》

婦人公論(2024年4月号)「読みたい本」 評者=サンキュータツオさん
《その世界ではどういうことが問題意識として共有され、なにが良しとされているのか、二人の会話を読み進めるとよくわかるようになっている。この手法には舌を巻いた》《この本が主眼としているのは、価値観をいくつか提示しつつも正解をひとつにしない、短歌そのものの魅力の伝達である》

歌壇(2024年5月号) 「夢」の時代の短歌入門 評者=山崎聡子さん
《短歌をはじめたばかりのころ、歌会や批評会の二次会で周囲の歌人たちが話していた「何が何だかわからないけれど大切そうな短歌の話」の完璧な再現になっている》
《なんで誰も教えてくれなかったんだろう、と今さらながらに思う》

短歌(2024年5月号) 評者=松本高直さん
《二人の対談の中に読者が参加することで、短歌の明日が見えてくる気がする》