『深呼吸広場』
谷川電話
B6判、並製、112ページ
定価:本体1,600円+税
ISBN978-4-86385-523-6 C0092 2刷
ブックデザイン 畑ユリエ
一昨日は男子、昨日は女子だった 今日はパンケーキとして生きる
『恋人不死身説』の著者、新境地をひらく第二歌集。
2022年6月発売
【収録歌より】
日向 今日わたしはよわい 猫を抱く力があればじゅうぶんなんだ
銀色のコーヒーミルに抱擁を映そうとして踏んだクッキー
友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる
生きながら水族館の薄闇でおでこをさすりあうのはいいね
コロッケを揚げながらする合唱に百年前のくしゃみが混じる
【目次】
春のあこがれ
抱擁と副葬品
電動パンダ
人間ですよ!
色とりどりのほっぺ
茶柱礼賛
スニーカーを売ったお金
ユニコーン落下
白目
春、前文
クジラ爆発
新しい友だち
腐乱文体
サマー、ゴリラ、永久歯
はしゃぐだれもが
text
冬・倫理ん
あ行
流動遊戯
パンケーキとして生きる
【著者プロフィール】
谷川電話(たにかわ・でんわ)
1986年、愛知県生まれ。2014年、第60回角川短歌賞を受賞。2017年、第一歌集『恋人不死身説』(書肆侃侃房)を刊行。
書評
現代短歌新聞(22年9月号) 評者=山田航さん(歌人)
しんぶん赤旗(9/18) 評者=高橋源一郎さん(作家)
《「後」なんだと思った。はっきりとはいえないけど「なにか」の後なんだ。それを谷川さんは書かなきゃならなかったんだ》