『柴犬二匹でサイクロン』
大前粟生
四六判、並製、144ページ
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-514-4 C0092
装丁 牧寿次郎
第56回造本装幀コンクール東京都知事賞受賞!
お互いにワンパンし合う関係で倒れた場所を花園とせよ
『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』の大前粟生、初めての短歌集。
短歌ムック「ねむらない樹」vol.7掲載で話題を呼んだ「とびひざげり」など約230首を収録。
ひとつ読むごとに 自分の中の知らないスイッチが押され
どこかで知らない窓が開く
この感情、どうすりゃいいの?
────岸本佐知子(翻訳家)
このお言葉、あのお言葉、お日柄によって
「グッ心地」が変わりました。
────もう中学生(芸人)
2022年5月発売予定です。
【収録歌より】
この痣を月に結んで大丈夫とびひざげりの妄想をする
棺桶に詰められるならパフェに似た佇まいでと約束の夏
ポカリスエット突然に目減りして光の代わりに光が入る
晩年はふいに浮上すたとえば鳥たとえば歌の途中で焦げて
ほがらかな血液の流れ悲しみは取り除けないからめぐらしてみる
【目次】
とびひざげり
パフェの降臨
こちらの歌
夏
喫煙・仏具
犬ざんまい
裸足の家
鴨川
生活
【著者プロフィール】
大前粟生(おおまえ・あお)
1992年生まれ。著書に小説『回転草』『私と鰐と妹の部屋』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)がある。
書評
文藝(22年秋季号)「この装幀がすごい!」 評者=川名潤さん
《『柴犬二匹でサイクロン』の表紙と帯に並んでいる文字の形は変だ。〔……〕この書体が使われている本を見ると、問答無用にパンク装幀認定をしている》
《短篇でも自由な発想と語彙力で魅了してくれたが、短歌でもその才気が爆発している〔……〕歌集って、どんな味わい方、楽しみ方も許される気軽なエンターテインメントなのですね》
図書新聞(7/30)「2022年上半期読書アンケート」 評者=石川美南さん
《スピード感ある展開とピュアな絶望感が入り混じる唯一無二の表情に目を見張った》
イベント
大前粟生×松波太郎
「小説の「自由さ」とは、そして「怖さ」とは。」
http://www.kankanbou.com/news/archives/356