『大江満雄セレクション』
大江満雄/木村哲也編
四六判、並製、264ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-662-2 C0092
装幀:成原亜美 装画:古田洋志
ぼくらを感激さすものは ぼくら自身がつくらねばならぬ (「雪の中で」より)
ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『いのちの芽』
プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、
「大江満雄は、多様で異質な人たちが、
2025年3月上旬発売予定です。
【目次】
詩(「日本海流」「四万十川」「四方海」「癩者の憲章」ほか62篇)
散文(「詩の絶壁」「ライ文学の新生面」「日本思想への転向者フェレイラ」ほか8篇)
編者解説
大江満雄年譜
編者あとがき
【著者プロフィール】
大江満雄(おおえ・みつお)
1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954年)、『機械の呼吸』(1955年)、『自選詩集 地球民のうた』(1987年)。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。没後、『大江満雄集―詩と評論』(思想の科学社、1996年)が刊行された。
【編者プロフィール】
木村哲也(きむら・てつや)
1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する──宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024年)、『来者の群像──大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017年)、編著に『内にある声と遠い声──鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)など。