書籍

『日本狂詩曲』海老井英次

『日本狂詩曲』
海老井英次

四六、上製、600ページ
定価:本体2,500円+税
ISBN978-4-86385-573-1 C0093

 

激動の時代の祈りと赦しと

江戸末期から明治時代へ。キリシタン信徒の境涯は時代の流れに翻弄される。物語は、明治初期の長崎から始まり、由布の里、豊後竹田へ。日本の四季折々の風情を織り交ぜながら動いていく壮大な物語。「オカネサン」(mousumé)という一人の日本女性の波乱万丈の生涯を描くことで、フランス人からみた「japonisme」すなわち近代化に向かう日本の時代の変化を浮き彫りにする歴史小説。

 

【もくじ】

第一楽章 憧れの<日本人形>
日本発見/二人の武家の娘/<神のいない島の花嫁ほか

第二楽章 <日本の表層と深奥>
神戸、京都/横浜、日光/東京・鹿鳴館ほか

第三楽章 国際都市NAGASAKIの激動
吹雪の中の長崎寄港/オキンとオウメ/稲佐、志賀の汀にて/神父と士、世界の片隅でほか

第四楽章 豊後の自然と昏迷
長崎から竹田へ/<神>になる男/由布の秘密/由布の薄明ほか

 

【プロフィール】

海老井英次(えびい・えいじ)
1938 年 東京都生まれ
九州大学文学部仏文学科、国文学科卒
九州大学名誉教授
主な著書 『芥川龍之介論攷』(桜楓社 1988)
『開化・恋愛・東京 漱石・龍之介』(おうふう 2001)
『芥川龍之介〈人と文学〉』(勉誠出版 2003)
『日本女性にまつわるHistoria』(花書院 2020)