『月面文字翻刻一例』
川野芽生
四六判、上製、224ページ
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-545-8 C0093
装丁 ミルキィ・イソベ+安倍晴美(ステュディオ・パラボリカ)
誰もが探していたのに見つからなかったお話たちが、
こうして本に育っていたのをみつけたのは、あなた。
────────円城塔
第65回現代歌人協会賞を受賞した歌集『Lilith』など、
そのみずみずしい才能でいま最も注目される歌人・作家、川野芽生。
『無垢なる花たちのためのユートピア』以前の初期作品を中心に、
「ねむらない樹」川野芽生特集で話題となった「蟲科病院」、
書き下ろしの「天屍節」など全51編を収録した待望の初掌編集。
web侃づめにて試し読み公開中!
「水墓」
2022年10月全国書店にて発売予定です。
【著者プロフィール】
川野芽生(かわの・めぐみ)
1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科在籍中。2017年、「海神虜囚抄」(間際眠子名義)で第3回創元ファンタジイ新人賞の最終候補に選出される。2018年、「Lilith」30首で第29回歌壇賞を受賞し、2020年に第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房)を上梓。同書は2021年に第65回現代歌人協会賞を受賞。2022年、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社)を刊行した。
フェア情報
『月面文字翻刻一例』の刊行を記念した川野芽生さんの選書フェアを開催!
・ジュンク堂書店池袋本店
・ブックファースト新宿店
・紀伊國屋書店小田急町田店
掲載情報
週刊金曜日1月20日「本箱」 評者=編集部・本田政昭さん
《ごく少ない文字数で独特の世界が完結する展開は、まるで宝石のようだ。いぶし銀のような短い小説の濃厚な世界観に驚愕。これは発見だ》
クロワッサン2/25号 話題の本、気になる本 評者=青野賢一さん
《(…)そんなふうに精緻な表現を要求される幻想文学で、ひときわ優れた作品を発表しているのが歌人、小説家の川野芽生だ。(…)この情景を書き表すには、この言葉しかないのではないかと思わずにはいられない端正な正確さがある》
書評
週刊新潮(11/17) 評者=石井千湖さん
《どの話も豊かな語彙と緻密な文章構成によって鮮烈なヴィジョンを提示し、読者をこの世の外へ連れ出す。(……)言葉で創られた幻想たちと一緒に本の中を自由に動きまわることで、残酷な出来事もどこか愉快に感じられる。そして不条理な世界を生き延びる力が得られるのだ》