書籍

『観念結晶大系』 高原英理

『観念結晶大系』
高原英理

四六判、上製 336ページ
定価:本体2,500円+税
ISBN978-4-86385-426-0  C0093
装幀 柳川貴代

高原英理が二十有余年を費やし世界に問う思弁小説、ついに刊行!

神よりさらに高い次元に響く音をこの小説の中に聴きました。
すべての着地点を知りました。 町田康

詩、絵画、音楽から、星と鉱物から、精神の内奥に輝く結晶から、異世界への扉は開く。夢は通路である。身体の変容とともに時間が加速される。そこでは無数の世界が死んでゆく。だが全宇宙に響きわたるハーモニーとともに光はやってくる。夢想と世界変革の哲理をたどる果てしない物語が今、静かに幕を開ける。

2020年11月中旬全国書店にて発売。
 

【著者プロフィーㇽ】
高原英理(たかはら・えいり)
1959年生。立教大学文学部日本文学科卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了(価値システム専攻)。博士(学術)。
1985年第1回幻想文学新人賞受賞。
1996年第39回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。
主要著作『少女領域』『エイリア綺譚集』(国書刊行会)『闇の司』(角川春樹事務所)『無垢の力』『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)『抒情的恐怖群』『神野悪五郎只今退散仕る』(毎日新聞社)『月光果樹園』(平凡社)『アルケミックな記憶』(書苑新社)『うさと私』(書肆侃侃房)『怪談生活』『歌人紫宮透の短くはるかな生涯』(立東舎)。
編著『書物の王国6 鉱物』(国書刊行会)『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』『ファイン/キュート』(筑摩書房)『ガール・イン・ザ・ダーク』『深淵と浮遊』(講談社)。

 

■刊行記念選書フェア開催中!
 
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書評

「ダ・ヴィンチ」2021年2月号 評者=朝宮運河さん
《詩、絵画、音楽、星と鉱物、精神の内奥に輝く結晶から、異世界の扉は開く。硬質なイメージに満ちた幻想小説》


東京新聞(2月8日) 評者=豊崎由美さん
《錬金術、贋作(がんさく)、鉱物、グノーシス主義、ユートピア、両性具有など、目眩(めまい)を起こしそうなほどの博学とディレッタンティズムに、憧れを募らせたものではありました。その正嫡というべき小説家が高原英理なのです。〔……〕最初のうちは未知の言葉や概念が頻出してとまどうかもしれませんが、気にせず読み進めていけば、第一部のエピソードの数々が第三部でつながりを明確にしていくので、その頃にはあなたもいっぱしの<クリスタリジーレナー(結晶化させる者)>になっていること必至です》全文はこちら