『詩集 赤い豚たち』붉은 돼지들
宋燦鎬 著
韓成禮 訳
四六判、並製、208ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-441-3 C0098
韓国詩壇において舞楽条件と美学性を兼ね備えた詩を書く、数少ない詩人といわれる宋燦鎬(ソン・チャンホ)のエッセンスがつまった詩集
その列車には美しい監獄がある
速力は美しい
ふと、その美しさが車窓を遮った
列車は汽笛を鳴らす
豚たちの声がかれる
車両ごとに不安が渦巻いている
ああ、その尊い酒も
すでに血まみれになった
宋燦鎬は大学を卒業した後に一年ほどサラリーマン生活をおくったことがあるが、都会生活が性に合わず退職し、故郷に戻って現在まで農業を営みながら詩を書いている。農村生活の中で生まれた宋燦鎬の詩には、童話の世界が広がっており、草・花・木・鳥・蝶・動物などのような自然が主な主人公である。
「訳者あとがき」より
2021年2月上旬全国書店にて発売。
【著者プロフィール】
宋燦鎬(ソン・チャンホ)
1959年、忠清北道報恩郡生まれ。慶北大学独文科卒業。1987年、《我らの時代の文学》に詩「便秘」などを発表して文壇デビュー。詩集に、『土は四角の記憶を持っている』(1989)、『一〇年間の空の椅子』(1994)、『赤い目、椿』(2000)、『猫の戻ってくる夜』(2009)、『桃色のナマクシン』(2016)、『冬の旅人』(2018)、児童の詩集『夕の星』(2015)、『緑の兎会った』(2017)などの著書がある。2000年、第19回金洙暎文学賞と東西文学賞、2008年、第8回未堂文学賞、2009年、第17回大山文学賞、2010年、第3回李箱詩文学賞、2017年、第3回ディカ詩作品賞、2019年、第7回詩と思想文学賞と第17回エジ文学賞を受賞した。
【訳者プロフィール】
韓成禮(ハン・ソンレ)
1955 年、韓国全羅北道井邑生まれ。世宗大学日語日文学科及び同大学政策科学大学院国際地域学科日本学修士卒業。1986 年、『詩と意識』新人賞を受賞して文壇デビュー。詩集に、『実験室の美人』、『笑う花』、日本語詩集『柿色のチマ裾の空は』、『光のドラマ』、人文書に、『日本の古代御国家形成と萬葉集』などがある。1994 年、許蘭雪軒文学賞、2009年、詩と創造特別賞(日本)受賞。宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、丸山健二『月に泣く』、東野圭吾『白銀ジャック』、辻井喬『彷徨の季節の中で』など、韓国語への翻訳書と、特に、日韓の間で多くの詩集を翻訳。詩集では、鄭浩承詩集『ソウルのイエス』、金基澤詩集『針穴の中の嵐』、安度昡詩集『氷蝉』などを日本で翻訳出版し、小池昌代、伊藤比呂美、田原などの詩人の詩集を韓国語で翻訳出版した。翻訳書は日韓で200 冊あまり。現在、世宗サイバー大学兼任敎授。