書籍

『裏組織の脚本家』林庭毅

「裏組織の脚本家」我在犯罪組織當編劇
林庭毅 著 明田川聡士 訳

四六判、並製、304ページ
定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-86385-663-9 C0097

装画 Blaze Wu


人生の台本を書き換えられるとしたら、誰の人生を“サンプル”にしますか?

台北・西門町にある浮木(フームー)という居酒屋には、闇の組織「ワラビ」のメンバーが潜伏している。屋根裏の小部屋「ワラビの部屋」に「新しい人生の台本」を抱えて入れば、人生を変えることができる。ただし、それには条件があった……。

台湾発のSFファンタジー 
≪ドラマ化企画進行中!≫

<あらすじ>
恋人と母を自動車事故で失った何景城(ホージンチョン)は、物語のなかで彼女たちを生かしたいと、二人が登場する小説をインターネットで発表していた。ある日、謎の組織「ワラビ」から声がかかり、人生の台本を書く「脚本家」として組織に加わることになる。

病気のため車椅子になった林雨琦 (リンユーチー) は、順風満帆な羅夫人(ルオフジン)の人生をサンプルとし新しい人生を生きようとするが、彼女が亡くなったと聞き……「トラックを駆ける女」。事故死した恋人の劇団仲間、劉筱漁(リウシアオユー)が事故のあと劇団を去り、借金のためナイトクラブで働いていると知った何景城は「ワラビの部屋」の話を持ち掛けるのだが……「マクベス夫人」など。  

手に入れた人生は正しかったのか。恋人の死は偶然ではなかったのか。ワラビの部屋とは……。依頼者たちの人生が交錯していくミステリー仕立てのファンタジー小説。


2025年3月中旬発売。
 

<目次>
第1章 トラックを駆ける女
第2章 暗闇に覆われた英語教師
第3章 マクベス夫人
エピローグ
番外編 巨人の悩み
訳者あとがき
 

<著者プロフィール>
林庭毅(リン・ティンイー/Lin Ting Yi)
1986年、台中生まれ。作家。主な著作に長編小説『災難預言事務所』(台北・奇幻基地出版、2023年)、『冤伸倶楽部』(台北・奇幻基地出版、2022年)、短編小説集『夜夜夜談 BBS marvel板詭異誌』(台北・城邦原創出版、2013年)など。


<訳者プロフィール>
明田川聡士(あけたがわ・さとし)
1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門分野は華語文学・華語映画。近年の主な著書に『戦後台湾の文学と歴史・社会』(単著、関西学院大学出版会、2022年)、『中国語現代文学案内』(共著、ひつじ書房、2024年)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)、『台湾人的悲哀考 李喬全集43』(共編、新北・客家委員会、2024年)、『被扭曲的臉譜 李喬全集44』(共編、新北・客家委員会、2024年)など。近年の主な翻訳に陳又津『霊界通信』(あるむ、2023年)、劉梓潔『愛しいあなた』(書肆侃侃房、2022年)、黄崇凱『冥王星より遠いところ』(書肆侃侃房、2021年)、李喬『藍彩霞の春』(未知谷、2018年)など。