『死んでから俺にはいろんなことがあった』
リカルド・アドルフォ
木下眞穂訳
四六判、並製、256ページ
定価:本体2,100円+税
ISBN978-4-86385-603-5 C0097
装丁 成原亜美(成原デザイン事務所)
装画 小山義人
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか?
ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。
郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか?
SNSにて大反響!!
「ダメ男小説の新たな傑作登場!と叫びたい」(小竹由美子さん) X(3/23)より
「道に迷ってどうやっても家に戻れない悲哀が、ユーモラスな語り口で描かれていて、すごくよかった」(酉島伝法さん) X(3/28)より
「とても面白かった。(略)進めど戻れど、全く家に帰りつけない移民の家族のお話」(澤西祐典さん) X(3/31)より
「しっかりと面白く、考えさせられる深い余韻を残します」(本屋象の旅さん) X(3/14)より
【著者プロフィール】
リカルド・アドルフォ(Ricardo Adolfo)
1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』(2015年)では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』(現代企画室)に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。
【訳者プロフィール】
木下眞穂(きのした・まほ)
上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。